Takako Nakayama Labor and Social Security Attorney Office

給与デジタル払い、2023年4月解禁

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2022年11月28日、労働基準法施行規則が改定され、来年より給与の振込にペイペイやラインペイ等の資金決済業者を利用した、所謂「デジタル払い」が可能となります。利用できる資金決済業者は厚生労働省の指定を受けた業者(特定資金移動業者)のみとなります。資金決済業者による給与支払を行うには、これまで通り銀行振込を選択できるようにすることや、従業員の同意を得ることが必要となります。会社は次の要件を満たす資金決済業者であることの説明を行った上で当該同意を得る必要があります。

1.賃金支払いに係る口座の残高が100万円を超えない措置を講じていること。また、口座残高が100万円を超えた時は速やかに100万円以下になる措置を講じていること。

2.破産等により債務の履行が困難な状況となったときに、口座残高の全額を労働者に速やかに支払うことを保障していること。

3.労働者の意に反する不正な為替取引やその他の労働者の責めに帰さない理由で労働者への支払いが困難となったことにより損失が生じたときは、当該損失を補償する仕組みを有していること。

4.口座残高の最後の変動から10年間は、労働者が口座から賃金を引きだせる措置を講じていること。

5.口座への資金移動が1円単位でできる措置を講じていること。

6.ATMやその他通貨での受取ができる方法で、1円単位で、少なくとも毎月1回は手数料等の費用を負担なく賃金の受取ができる措置を講じていること。

7.賃金支払業務の実施や財務状況を適時、厚労大臣に報告できる体制を有すること。

8.1~7の他、賃金支払業務を適正かつ確実に行うことができる技術力と十分な社会的信用を有すること。